ドラゴンキッチン

STORIES

サンフランシスコ郊外の小高い丘にある住宅街。
27年前の大学4年の頃、知人夫婦に招待されて訪れたこの街にある中華のダイニングレストラン。
夫婦で切り盛りされていたこのお店は周辺の人々に心から愛されていた。
こじんまりとしたお店の雰囲気は、何ともいえない暖かさを感じさせ、当時は世界に3,4件しかない
フレンチスタイルのチャイニーズを提供する店だった。
現在の場所に移転前のTommy Toy's Cuisine Chinoise 。全く見たことの無いコンセプトに驚いた。
ここでのディナーのひと時は今でも心に焼き付いている。

未知のコンセプトに驚かされた忘れられないその時

成功を支える画期的な根拠となっていた創業者の調理スキーム

大学卒業後、調理見習いをやっていた頃、友人の父親が経営するパリの
高級中国料理店で研修した。パリの3店舗をはじめニューヨークや
ロンドンで高級中国料理店を展開する「TSE YANG」グループ。
当時のミッテラン大統領やスーパーモデルなどセレブな顧客ばかりのこのお店。
ここの調理場に入るとまたまた驚いた。
たった3人の調理師で全ての料理を提供してい たのだ。
中国料理ならではの合理性と手際の良さを可能にする先進的な調理スキームは、
限られた中華の人材しかいない欧米で、創業者が苦心して創り上げ、
彼の経営を支えるための画期的な根拠となっていた。

眠るマーケットへの必然的な挑戦

今の社会を象徴するように日本の調理場では、非生産的な主従関係が慣例化しており、あまり仕事をしない上司が多かった。
高給なこれらの上司の人件費を負担するために、日本の中華料理には必要以上に高い値段が付けられており、何故か高級料理としてしか捉えられていなかったためスタンダードな料理としてはマーケットに馴染んでいないなかった。
本当は本格的な中国料理が食べたいけど、値段や敷居が高くて食べられないたくさんの中華ファンがいるのかもしれない。
中国料理にお世話になっているのであれば、中国料理ファンのニーズは受け入れていかなければならない。
利己的なビジネスではなく、 社会性のあるビジネスでなくてはならない。

お客様の大切な「時」を満足させるお店へ

東京の大学から帰ると熊本の交通の不便さにあらためて気付いた。車がキーワードかな。
お腹をためるだけのファミレスはもう飽きた。
ファミレス+αの価格でもいいから、美味しく良い雰囲気で食の時間を愉しみたい。
車で行けて、家族や友人と愉しめ、ちょっとした贅沢な食事が出来る特別な場所が熊本には少ない。
外食の存在価値ってなんだろう?レストランビジネスってお腹が一杯になればいいのかな?
お店がお客様からお預かりする大切な一時。欧米のスタイルから見ても料理だけで勝負するのは時代遅れ。
新しい文化を発信しなくてはならない。

モダンチャイニーズで行こう。
職人の「業」。素人の「アイデア」。若者の「感性」。
うまく調和させなければならない。
既存概念は捨ててしまおう。全て良いところ取り入れよう。それがお客様のリクエスト。
自分自身がお客として考えた場合、答えとなるコンセプトは自然と創出される。
「料理」「空間」「価格」「プロモーション」・・それぞれに心のこもったアイデアを凝縮しよう。モダンチャイニーズで行こう。
偽りのない新しい食文化を発信しよう。
お客様も。働く私達も。お取引先も。みんなが幸せになる化学反応・・・起こるかな?




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